三菱重工業株式会社
三菱重工サーマルシステムズが「令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞 循環加温ヒートポンプ「Q-ton Circulation」の気候変動緩和への功績で
組織
◆ 低GWP冷媒を採用、温水供給における環境負荷低減とエネルギー消費量・CO₂排出量削減に貢献 ◆ 2019年の「技術賞」、2021年の「優良省エネルギー設備顕彰」「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」に次いで
三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ株式会社(社長:楠本 馨、本社:東京都千代田区)は、中部電力株式会社と共同開発した循環加温ヒートポンプ「Q-ton Circulation(キュートン サーキュレーション)」で、環境省主催の「令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞しました。同表彰の「開発・製品化部門(緩和分野)」において、「低GWP※1冷媒を用いた空気熱源循環加温ヒートポンプの開発と普及」活動が高い評価を受けたものです。表彰式は東京都江東区の東京ビックサイトで12月8日に行われます。
Q-ton Circulationに対する賞の贈呈は、公益社団法人日本冷凍空調学会の「第47回技術賞」(2019年)、一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会の「第38回優良省エネルギー設備顕彰 優秀賞(改修設備部門)」(2021年、受賞者:三菱重工冷熱株式会社)、日刊工業新聞社の「第24回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞 優秀賞」(2021年)に次いで四度目です。
気候変動アクション環境大臣表彰は、1998年から実施されていた「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」から、昨今の社会における気候変動対策の動向を踏まえて2020年度からリニューアルされたもので、気候変動の緩和(温室効果ガスの排出抑制対策)および気候変動への適用(気候変動の影響による被害の回避・軽減対策)に関し顕著な功績のあった個人、団体に対し環境省が毎年表彰を行っています。三菱重工サーマルシステムズは、「低GWP冷媒を適用したターボ冷凍機ETI-Zシリーズの普及」で2019年度に地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞しており、同社としては今回で二度目の受賞となります。
Q-ton Circulationは、ホテルやスーパー銭湯などの温浴施設や機械工場の生産プロセスで使う循環温水を作るためのヒートポンプで、冷凍機などの製品に対し欧州で先行導入されているGWPの規制値150を下回る冷媒R454C(GWP146)の採用により、環境負荷低減に大きく貢献できる製品です。また、独自の高効率3Dスクロール圧縮機を搭載した二段圧縮冷凍サイクルを採用することで、エネルギー消費効率(COP)※2が3.3という高いエネルギー効率も確保しCO₂排出量を大幅に削減できます。さらに、ガスボイラーに比べてランニングコストは67%減、エネルギー消費量は52%減を実現しています※3。既設ボイラーや電気ヒーターを循環加温に適したヒートポンプQ-ton Circulationに置き換えることで、大幅なCO2排出量削減が期待できます。
近年の脱炭素化の加速に伴い、脱脂・部品洗浄用の循環温水を必要とする工場においては、化石燃料を用いる蒸気ボイラーや電気ヒーターに代わって高効率のヒートポンプ導入が進んでいます。ただ、従来のヒートポンプは代替フロンなどの高GWP冷媒を使用するため、地球環境保護の観点から低GWP冷媒を採用しつつ高効率で加温運転ができる機器が求められており、本製品はこうしたニーズに応じて開発されました。2018 年の発売以降、既設ボイラーからの更新や新規設備として着実に販売台数を増やしています。
2050年のカーボンニュートラル社会実現へ向けた世界的な潮流から、国内外の製品・サービスに関する脱炭素化への対応が求められています。三菱重工グループは、三菱重工サーマルシステムズが有する事業領域の広さを生かしたシナジーによる総合技術力で、さらなる環境負荷低減と省エネに役立つ技術・製品開発に取り組み、多種多様な市場ニーズに応じた最適なサーマルソリューションの実現に力を注いでいきます。また、当社グループの生産活動ならびにバリューチェーン全体からのCO2排出量削減を通じて、2040年のNetZero達成とカーボンニュートラル社会の実現を目指していきます。
※1 GWP(Global Warming Potential)はCO2を1とした地球温暖化係数で、値が小さいほど温室効果が低く
環境性に優れます。
※2 COP(Coefficient of Performance)はJIS規格に基づいて算出する成績係数で、値が大きいほど省エネ性に
優れます。
※3 試算条件は以下の通りです。なお、実際の運転状態によって効果は変動します。
・温水入口温度60℃、出口温度65℃、年間通じて40kWの熱源をガスボイラーからQ-ton Circulationに
代替えしたランニングコスト低減効果を算出
・年間運転時間3,840時間(平日のみ16時間/日)
・ランニングコストは名古屋地区での屋外設置を想定
・ボイラーのシステム効率は50%
【令和3年度 気候変動アクション環境大臣表彰サイト】
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/min_action_award/
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