プレスリリース

2023年4月18日 13時26分

株式会社アカリク

博士の研究活動は週41.8時間/専門分野によってインターンシップへの参加度合いに差も【課程別・専攻別:24卒理系学生576人に調査】

留学

技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年にわたって続けている株式会社アカリク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山田諒、以下 アカリク)は、2024年新卒の理系学生576名を対象に、「就職活動に対する意識調査」を実施いたしましたので、お知らせいたします。

  • 【調査概要】
調査期間:2023年1月24日~2月6日
調査方法:インターネット調査
調査目的:理系学生の就職活動の動向把握
調査対象:就活サイト「アカリク」会員のうち、2024年新卒の理系学生(博士:26.0%,修士:69.3%,学部4.7%)
有効回答数:576名

 

 
  • 博士は週平均41.8時間を研究・学業に費やす
1週間のうちに学業に費やす時間について課程別で見ると、学部生は13.0時間、修士は25.8時間、博士は41.8時間を研究や授業などに充てていることが分かりました。課程によって顕著な差があり、進学するにつれて研究・学業が生活の中心となっていきます。特に、大学院生である修士・博士の方々は、研究や学業で多忙な中でいかに効率良く就職活動に取り組めるかが重要となりそうです。

  • 博士が就活に費やす時間は週平均5.6時間
1週間のうちに就職活動に費やす時間について課程別で見ると、学部生が9.1時間、修士が10.4時間、博士が5.6時間となりました。博士は研究活動に多くの時間を費やしており、学部・修士に比べて就職活動にあまり時間をかけていなかったようです。

 

 

  • インターンシップへの参加は学部・修士が5社程度、博士は1.7社に留まる
インターンシップ参加企業数について課程別で見ると、学部は平均4.9社、修士は5.3社、博士は1.7社となりました。参加企業数が最も少ない博士課程では、インターンシップに参加しなかったという回答が44.0%を占めました。

 
  • 最も研究に時間を費やしている分野は化学・生物系
1週間のうちに学業に費やす時間について専攻別で見ると、最も多いのは化学・材料・生物・農学系で34.3時間でした。一方で、最も少ないのは情報系で17.4時間となりました。分野ごとの研究活動・学業に使う時間の違いは、それぞれのキャリア形成・就職活動とも関連する可能性もあります。

  • インターンシップが最も盛んなのは情報系
インターンシップの参加状況について専攻別で見ると、参加企業数が最も多いのは情報系で平均5.3社となりました。情報系の95.2%の学生が1社以上のインターンシップに参加しています。一方で、参加企業数が最も少ないのは化学・材料・生物・農学系の3.8社で、67.8%が1社以上のインターンシップに参加しています。

 
  • 【調査者コメント】
 学部生から修士課程、博士課程へと進学するにつれて研究活動の時間は顕著に増加し、学業が生活の中心となっていきます。一方、アカデミア・民間企業問わず、就職活動の実施スケジュールはある程度決まっていることが多いため、大学院生は研究の合間の限られた時間で、「いかに研究と就職活動を両立するのか」が重要となります。特に、博士課程学生は研究活動に週平均41.8時間を費やしており、就職活動に使う時間が週平均5.6時間と少ないようです。これは、これまでの蓄積を活かして効率的に就職活動を進めることができたとも見れますし、一方で、とても限られた時間で自身のキャリア選択を迫られたとも言えます。また、インターンシップへの参加率も低く、実践的な業務経験がない状態で就職活動・キャリア選択をすることになる博士課程学生も多くいると考えられます。今後「ジョブ型研究インターンシップ」などの普及により、インターンシップ参加学生数については拡大の余地があります。

 専攻別で見ると、研究活動に費やす時間が最も多いのは化学・生物系で34.3時間、最も少ないのは情報系で17.4時間でした。インターンシップの参加状況については、情報系の参加企業数が最も多く平均5.3社で、95.2%が1社以上のインターンシップに参加しています。一方で、参加企業数が最も少ないのは化学・生物系の3.8社で、1社以上のインターンシップを経験している方は67.8%に留まっています。この結果については様々な要因が考えられ、一概には言えませんが、専攻により研究活動や就職活動への取り組みは差が出てくることが伺えます。

 研究職・技術職採用の担当者におかれましては、このように、在籍課程や専門分野による研究や就職活動への時間の使い方の差にも注目していただき、特に多くの時間を研究・学業に費やす専攻分野の方や博士課程学生に対しては、研究活動と両立しやすい採用フローを提供することで学生自身の満足感にもつながると考えられます。当社としてもそういった学生に対して、早期からキャリア形成ができるような機会を積極的に提供していくことで、実際の就職活動期間が短くても学生が十分納得してキャリア選択することができるよう、引き続き支援して参ります。
  • 詳細レポート
本調査結果のより詳しいレポートはこちらからダウンロードいただけます。
詳細レポート:https://biz.acaric.jp/whitepaper/3613

【詳細レポートの調査内容】
学業・生活時間についての調査(課程別・専攻分野別)
就職活動に対する意識調査(課程別・専攻分野別)
推薦の利用状況について(課程別・専攻分野別)
インターンシップの参加状況について(課程別・専攻分野別)
本エントリー状況について(課程別・専攻分野別)
  • アカリクについて
アカリクは「知恵の流通の最適化」というコーポレートミッションのもと、大学院生や研究者の方々のキャリア支援を行っています。高度研究機関である大学院・その他研究機関において日々産み出される「知恵」を広く社会・産業界につなぐことで価値を創出し、「知恵の流通」の最適化に貢献していくことを目指しています。大学院生のキャリア選択肢を増やすことで、大学院進学者が増え、結果として日本の研究レベルが上がると考えられます。そして、優秀な研究者がさまざまな場所で活躍することで、世の中の研究開発活動が活発化し、たくさんのイノベーションが生まれ続ける、そんな世界を実現するためのインフラとなることを目指します。

会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役社長 山田諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。