フォルシア、自然言語処理技術の活用による専門文書の検索性改善のため丸紅と実証実験を開始
フォルシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:屋代 浩子、以下フォルシア)は、丸紅株式会社(所在地:東京都中央区日本橋、代表取締役社長:柿木 真澄、以下丸紅)とこのほど自然言語処理技術を活用した次世代ビジネスの創出を目指して、研究者向けの論文検索技術の実用化に向けた実証実験を行うことをお知らせします。
昨今の日本では、論文数や被引用回数のシェア率が低下傾向にあり(※1)、研究力、引いては国際競争力の衰退が叫ばれています。研究者のメイン業務である論文作成には競合の動向調査や知識修得のため、論文による情報収集が不可欠ですが、近年、研究開発以外の活動に時間を取られるようになり、その情報収集に割ける時間が縮小していることが明らかになっています(※2)。一方で、情報収集の対象となる論文数は、年間発表数ベースで75万件(2001年)から150万件(2017年)とおよそ2倍(※3)に増加しており、情報収集の効率化の重要性はさらに高まっています。
フォルシアは創業以来、大量・複雑なデータを高速に処理する検索技術基盤「Spook®」を基に、様々な場面における「検索」の課題を解決してきました。本実証実験では、研究者が多く在籍している企業と強力な繋がりがある丸紅の協力を得て、研究論文の文中における重要な単語を抽出し、その単語に関連する用語の紐付けを自動化する手法の実現性を検証します。また、これまでフォルシアが培ってきた自然言語処理技術、サイト内検索のノウハウを活用し、従来の手法では見つけ出すことが困難な情報を探し出せる論文検索技術の実用化についても模索します。
<論文検索技術の概要>
●文書中の重要単語を自動でピックアップし、その内容に基づいて文書を自動でカテゴライズする
●従来の辞書では類義語/同義語として扱われていないが、同様の文脈で使用される用語同士を自動で関連語として登録する
フォルシアは、新たな論文検索技術を基に研究者の情報収集コストの省力化に貢献するとともに、次世代のビジネスモデル創出のチャレンジを行う丸紅とのパートナーシップによって日本の研究領域のイノベーションを支援していきます。
※1 文部科学省 文部科学統計要覧(令和2年版)「17.科学技術・学術」
※2 文部科学省 概要「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」について
※3 文部科学省 科学技術・学術政策研究所、科学技術指標2019、調査資料-283、2019年8月