プレスリリース

2022年3月22日 14時36分

西日本旅客鉄道株式会社

北大阪健康医療都市に「健都イノベーションパークNKビル」が竣工健都イノベーションパークエリア第1弾となるJR西日本グループ初の賃貸ラボ・オフィス

サービス

 

外観(全体)外観(全体)

この度、JR西日本不動産開発株式会社(本社:大阪市北区中之島二丁目2番7号、代表取締役社長:國廣 敏彦)は、北大阪健康医療都市(以下「健都」)内に所在する健都イノベーションパーク※1におきまして、ラボ及びオフィス施設「健都イノベーションパークNKビル(以下「本施設」)」を2022年3月1日に竣工し、4月より稼働することになりましたのでお知らせします。

 


健都は、「2019年に開業した国立循環器病研究センター(以下「国循」)を中心とする医療拠点の形成」と「市民の健康づくり」の2つの視点により大阪府・吹田市・摂津市のもと「健康・医療のまちづくり」が推進されています。また、国立循環器病研究センターに隣接する「健都イノベーションパークエリア」では、医療及び健康関連の研究機関や企業等が集積する複合医療産業拠点(医療クラスター)の形成を図るため、健康・医療関連企業等の研究・開発施設の進出用地として開発が進められています。

本施設は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(以下「医薬健栄研」)の研究施設として、東京から移転する「国立健康・栄養研究所」及び「AI健康・医薬研究センター」の入居に加え、企業等の進出や交流を促進する機能を担う施設として、ウェットラボ※2にも対応した「賃貸ラボ・オフィス」や京都リサーチパーク㈱※3(以下、「KRP」)が運営する日本初の時間単位でラボがレンタルできるシェアラボ「ターンキーラボ健都」を整備します。これらは、健都に進出を計画する企業だけではなく、ベンチャー企業やスタートアップを目指す研究者・学生等といった多様なニーズにも対応した研究開発環境を提供するJR西日本グループ初の事業です。
また、JR西日本グループでは、「変わらぬ価値観」として社会変化に対応した多様な暮らし方や働き方の提案につながる新たな価値を提供するにより、「訪れたい、住みたいまちづくり」を進めていきます。

外観エントランス外観エントランス


 

  • 本施設のコンセプト

健都は、周辺に国循、医薬健栄研、民間企業、大学、研究施設等のシーズが集積している点に加え、大阪市・京都市といったアーバンエリアに近接し、企業活動や研究環境が充実している立地となっています。このような立地・環境特性を活かし、企業・研究施設や行政、市民等との交流を促進することにより「オープンイノベーション創出」、「医療拠点としての広域拠点性の発揮」、「市民との共創機会の創出」を目指す姿として、ハード・ソフトの両面で当施設を整備しております。

 

 

 
  • 本施設のポイント・特徴

・ 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究施設設置
・ スタートアップ企業から大企業まで対応する様々な研究環境の提供
・ 日本初の時間単位でラボが利用可能なシェアラボ「ターンキーラボ健都」
・ オープンイノベーションを促進する「場の整備」×「交流・連携促進事業」

 

 
  • 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究施設設置

(1) 医薬健栄研について
医薬健栄研は、医薬基盤研究所及び国立健康・栄養研究所において医薬品技術及び医療機器等技術の向上のための基盤の整備を図るとともに、国民の健康の保持及び増進に関する調査・研究並びに栄養・食生活に関する調査・研究等を行うことにより、国民保健の向上に資することを目指しています。加えて、本研究所の専門性を活かし「医薬品等に関する専門性」(メディカルサイエンス)と「栄養・食生活及び身体活動等に関する専門性」(ヘルスサイエンス)を融合した研究を一層推進し、国民の健康寿命の延伸に資する研究成果の創出に努めています。

(2)国立健康・栄養研究所について
大正9年(1920年)に内務省所管の栄養研究所として創設されて以来、日本の栄養学確立に貢献し続けてきました(昭和13年(1938年)厚生省創設と共に移管)。栄養・食生活並びに身体活動に関する調査・研究を推進するとともに、関連する指針の策定・改定に資する研究を通じて国の健康・栄養政策への提言を行っております。また、平成26年(2014年)にWHO協力センターに指定され、アジア太平洋諸国との国際協力にも力を入れています。

(3)AI健康・医薬研究センターについて
医薬基盤研究所に設置されているAI健康・医薬研究センターは、医薬健栄研における人工知能(Artificial Intelligence; AI)関連活動の統合化と研究機能の拡充を目的とし、健康・栄養研究から創薬・疾患研究にまたがるAI基盤プラットフォームの構築を推進しているところです。具体的には、コンピューターを用いた腸内細菌叢や生活習慣と健康との関連解析、疾患の原因となる生体分子の発見や医薬品候補物質の設計・最適化などの研究を行っています。

(4)健都で見込まれる主な活動等について
国立健康・栄養研究所及びAI健康・医薬研究センターは、これまで蓄積している研究成果を基に、健都において国循等の医療機関、企業及び自治体等との連携により、研究成果を社会実装につなげる取組を進めていきます。
医薬健栄研の特徴である、メディカルサイエンスからヘルスサイエンスまでの幅広い研究を行う国立研究機関であることを活かし、医薬基盤研究所(彩都)の研究リソースも活用しながら、健都における健康及び栄養等に関する研究の中心的な役割を果たします。

 

  • スタートアップ企業から大企業まで対応する様々な研究環境の提供

(1)賃貸ラボ・オフィス
専用区画(貸室)を入居者に賃貸する形態とし、本施設の3階の一部と5階~7階に配置しています。貸室(一部の貸室は除く)では、実験可能なウエットラボ仕様としており、実験に必要な給排水、ドラフトチャンバーなどの大型設備の設置も可能なスペックも確保しています。貸室の面積は、最小約25坪から大小さまざまな規模に対応できるようになっております。なお、実験可能なレベルはBSL2※4までとしております。
「様々な実験シーンに対応可能なラボ仕様」
・液体や気体等を使った実験が可能なウェットラボ仕様
・本格的な研究が可能なBSL2対応
・実験に必要な各種設備が追加可能な設備バルコニーを設置、貸室内へ直接給排水、給排気が可能
 


(2)日本最大級のシェアラボ ~ターンキーラボ健都~


本施設4階にKRPによる日本初となる時間単位でラボスペースがレンタルできる日本最大級のシェアラボを運営します。
「ターンキーラボ健都」の3つの特長
・ P2/BSL2※4 対応の機器付ラボ/初期投資をおさえ、すぐに研究を開始
・ 時間単位でレンタル、ラボ管理不要/研究に専念できる環境をお得に、フレキシブルに
・ 国研や企業が集積する都心近郊立地/共同研究や交流を促進、採用にも効果的

 「ターンキーラボの概要」ターンキーラボ健都は、"そのひらめき、すぐ研究。"をコンセプトとした、P2/BSL2対応のシェアラボです。細胞培養や遺伝子解析に必要や基本的な設備と機器が揃っているため、初期投資をおさえ、すぐに実験を始めることができます。実験ベンチや機器は時間単位のレンタルで、利用頻度に合わせて使うことができ、さらに常駐するラボマネージャーがラボ管理を対応することで、研究に専念できる環境を提供いたします。また、交流を目的に作られたサロンも併設しており、交流会、勉強会等のイベントも開催を予定しています。


「ターンキーラボの仕様等」


(3)多様な働き方やコミュニケーションを活発にする様々な共用施設
本施設には、貸し会議室、個室ブース、屋外交流スペースがあり、多様な働き方や会議室の合理化・屋外でのミーティング・軽い運動など様々なワーキング環境に対応可能な共用施設を整備しています。
 


 

  • オープンイノベーションを促進する「場の整備」×「交流・連携促進」
(1)交流ラウンジ(名称「Co・Luster lounge」※5)
本施設の1階に、共用の交流ラウンジを設置。待合や休憩、短時間の打合せ等に利用していただくと共に、オープンスペースとしてイベント、交流会やWebを使った遠隔地との同時中継によるセミナーなどの交流イベントが可能な通信・音響・映像等の設備を取りそろえたラウンジとなっています。

(2)交流・連携促進事業
本施設に医薬健栄研を含め入居する企業や健都に進出する企業、国循等との間で、オープンイノベーションの創出を目指すべく、KRPによる豊富なラボ運営事業の実績・経験を活かし、入居者間の交流を促す機会の創出、有識者等による研究会、健都での取組を発信する広報活動などを実施することで、健都が目指すオープンイノベーションの実現、健康関連産業等との連携を創出・促進する拠点の形成に貢献してまいります。

 
  • 本施設の概要

 
  • 快適性と両立した、未来につながる社会・環境への取り組み
JR西日本グループでは、「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会」という「めざす未来」はコロナ禍以降も変わらないものと考え、その未来の実現に向け取り組みを進めています。

今回ご案内の取り組みは、SDGs の 17 のゴールのうち、特に 3番、7番、8番、9番、11 番、13 番に貢献するものと考えています。

※1 健都イノベーションパーク:北大阪健康医療都市における国立循環器病研究センターを中心とした国際級の複合医療産業拠点の形成を図るべく、「健康と医療」をキーワードに先端的な研究開発を行う企業等の研究施設の集積エリア
※2 ウェットラボ:薬品や装置を用いて実験を行うための研究室
※3 京都リサーチパーク(KRP):全国初の民間運営によるサイエンスパークとして、1989年に開設。京都府・京都市の産業支援機関を含めて500組織・6,400人が集積。オフィス・ラボ賃貸、貸会議室に加え、起業家育成、オープンイノベーション支援、セミナー・交流イベント開催など、新ビジネス・新産業創出につながる様々な活動を実施
※4 P2:遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に基づく実験等における拡散防止措置区
BSL2:細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う分類
※5 Co・Luster lounge:「共に(Co-)」×「輝き(luster)」イノベーションを起こす場という意味を込めています。